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​その5

とをお聞きすると、「自分は日本に帰ったら役に立たないが、インドにいれば少しは世間の役に立つことができる」と話され、その後もインドに留まる決心をされたようでした。支援してくれる人もおられたようです。日本への帰国を心待ちにされていた奥様にとってはうれしくない判断だったのかもしれません。(以来、18年にわたり毎年一緒にインドの村々を巡り、植えられた木の生長を確認し、村や人々の変化を見守っていただきました)

 

 こうしてインドの緑化プロジェクトはいよいよ船出し進み始めたのです。

 

 

第四章 航空蒔き

 1993年4月、事前準備と実験を行うため、微生物的環境技術研究所の平井孝志先生とそのスタッフ2名とともに渡印しました。体調のこともあり

福岡先生の訪印が難しくなり、急遽お願いをしたにもかかわらず平井先生には快く引き受けていただきました。深く感謝しました。平井先生は微生物の研究者でありまた実践者で、地球のお医者さんとして微生物の働きを活用した水質の改善や土壌の改良の指導を行っておられています。福岡方式の種の粘土団子を平井方式の微生物を利用した内容に工夫し、まず現地で実験をしようということになりました。また実際に航空蒔きを行う現地の視察も併せて行いました。その土地は岩だらけの荒地で素人目にもなかなか厳しそうな環境に見えました。

 8月、オリッサ州。いよいよ本番です。平井先生はもちろん矢崎事務局長や牧野先生も一緒です。ダスグプタさんやタゴール協会のメンバーも居合わせています。種は大量に集められ、肥料と微生物をまぜて発芽しやすい状態になって出番を待っています。これが空から広大なインドの大地に撒かれるのです。そしてそ

それはやがて芽吹き、成長し、森となっていくのです。

 ところが。用意されている飛行機が飛びません。なかなか飛びません。

航空蒔き実施予定地

平井先生

航空蒔き実施予定地

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